悠仁さま「帝王学」は、教科書では学べない 「学習院に進むべき」「陛下と雅子さまの元で学ばせるべき」との声も

文/木下聡

帝王学と象徴学

1972(昭和47)年8月、上皇陛下(当時、皇太子)は、軽井沢で記者会見を開き「浩宮様は将来の象徴(天皇)になる人だと思いますが、そのための帝王学を具体的に何か」との問いに、「重要なものとして、人間として望ましい人格をつくることが第一で、それに立場からくるいろいろなものが加わってくると思います」と答えている。さらに上皇陛下は「帝王学というのは違う。象徴学である」と訂正された。

明治以前の帝王学は『論語』『帝範』といった漢籍を学び、歴代天皇・上皇が皇太子に与えた“心得”である『寛平御遺誠』や『誠太子書』を学んだ。しかし文明開化とともに、帝王学(進講)の内容も漢籍・古典から外国語や自然科学などに様変わりしてきた。さらに戦後の象徴天皇制においては、天皇は国民統合の象徴と位置付けられており、もはや天皇に必要な学問は教科書だけでは学べないものになっている。

『皇室に学ぶ徳育』(モラロジー研究所)などを著した所功さんも現代の帝王学(象徴学)について「学習院自体が戦後一私立学校となったが、まして他の学校では皇族に資する教育を行うことが難しい。したがって、各皇族は現皇室内の方々から皇族の心得などを学ぶほかない」と述べている。

秋篠宮殿下の苦悩

このような中にあって、悠仁さまの「帝王学」を孤軍奮闘しているのは秋篠宮ご夫妻だ。この問題に詳しい皇室ジャーナリストの佐藤公子さんは次のように語る。

「問題となるのは、悠仁さまの教育環境が宮家のそれであり、決して天皇家のものではないことです。悠仁さまの教育費は、秋篠宮家の私費(皇族費)で賄われており闞沢とは言えません。本来ならば悠仁さまは両陛下の近くに置き、その背中を見て成長されるべきです。

ですが戦前のころと比べ、現在の皇室は、天皇家と宮家の関係が希薄になっています。また、明治以降、直系で皇統が紡がれてきたため、皇位継承者が傍系の場合の教育というものが“手探り”状態です。秋篠宮殿下も紀子さまも、自分たちで悠仁さまを育てたいという想いが強い。これは親として当然でしょう。

帝王学の一環として、昨年、秋篠宮ご夫妻は悠仁さまを連れブータンに海外旅行されました。ブータン国王夫妻や王子との交流を重ねました。さらに文化人類学者の池谷和信教授を帯同させ、現地の文化などに親しまれまれるなど、良い経験を積むことができたと思います」(皇室ジャーナリスト・佐藤公子)

この一方、秋篠宮家の教育環境を不安視する声も多い。

「秋篠宮殿下はまさかご自身が即位するかもしれないとは露にも思わず幼少期・青年期を過ごされた方です。良くも悪くも“破天荒”だった寛仁親王にも通じる感性をお持ちです。宮家の当主としてならば、充実した人生を過ごされたでしょうが、皇位継承権一位という立場はいささか重荷に感じているかもしれません。

悠仁さまにどのような“帝王教育”の環境について秋篠宮ご夫妻に一任したままでよいのか、という疑問もあります。特に宮内庁でよく聞かれる声としては『悠仁さまの高校進学は、学習院で良いのではないか?』というものがあります。

ご夫妻としては宮内庁からとやかく干渉を受けたくないというのが本音でしょうが、学習院と宮内庁は密に連絡を取り合っており、その他の学校よりも教育面でも安全面でも色々と安心できるのですが…」(宮内庁関係者)

この関係者の「安全面」という言葉の裏には、昨年、不審者がお茶の水小に侵入して悠仁さまの机に刃物を置いた事件が念頭にある。学習院なら愛子さまの頃の経験があるため、未然にこのような事件を防げただろうというのだ。

悠仁さまは学習院高校に進学?

お茶の水女子付属は中学校までで、高校は存在しない。必然的に、悠仁さまは「高校受験」を体験することになるが、宮内庁が希望するように学習院高校に進学すうことはあり得るのだろうか?

この問題に詳しい専門家は次のように予想する。

「悠仁さまが学習院高校に進む可能性は極めて低いと思われます。昨年、学習院大学の内藤政武院長が宮内庁に挨拶に訪れたときも、愛子さまの担当の者と面会できたものの、秋篠宮家から職員は来なかったそうです。秋篠宮家の教育は、秋篠宮家で決定したいという意志の顕れでしょう。

もっとも皇族方の学習院離れは秋篠宮家だけではありません。高円宮家の三女・絢子さま(現、守谷絢子さん)は2009年に城西国際大学(福祉総合学部)に進み、同大学院修士課程を卒業しています。たしかに安全面では学習院のほうが経験豊富で安心できるかもしれません。

ですが、いまや学習院は私立学校の一つに過ぎず、華族もすでに解体され存在しません。なので交際面・学習面では、学習院に進まずとも問題ないでしょう。やはり宮内庁や天皇家と相談して、上皇陛下や天皇陛下の傍で“その生きざま”こそを学ぶ必要があるように思えます」(全国紙社会部記者)

また元宮内庁職員の小内誠一さんは次のように悠仁さまの教育の重要性を指摘する。

「今の時代に必要なのは帝王学ではなく象徴学でしょう。その点については、上皇陛下が仰った通りです。かつて上皇陛下は、浩宮さま(現在の今上陛下)の教育について問われ『日本の文化、歴史、とくに天皇に関する歴史は学校などでは学べないものです。それをこちらでやっていくことはしたい』『象徴学は一つの言葉で表せないと思います。いろんな材料を手えて、それをいかに咀嚼していくかが大事です』(1976年12月)と答えました。

その後、今上陛下は、ご進講で歴代天皇の事績を学ばれ『誠太子書と呼ばれているんですが、この中で花園天皇は、まず徳を積むことの必要性、その徳を積むためには学問をしなければならないということを説いておられるわけです。その言葉にも非常に深い感銘を覚えます』(1977年3月)と述べられています。こういうことこそが正しい教育の在り方だと思います。

このような帝王学、正確には象徴学を、悠仁さまも学ばれていく必要があるでしょう。もちろんそのためには、今のように秋篠宮家が宮内庁をシャットアウトするのではなく協力し合い、そして何より両陛下のそばで“象徴としての在り方”を学ぶ必要があることは言を俟ちません。多くの国民が愛子天皇の誕生に好意的なのも、愛子さまがこのような象徴学を自然と身につけられていることを意識的・無意識的に気が付いているからだと思います。

まして、もし眞子さまと小室圭さんが結婚されれば、悠仁さまにも小室家の影響が出ることは避けられません。これを好意的に受け止める国民は少ないでしょう。さらに愛子さまと常に比較され、皇位継承問題の議論も複雑化していくでしょう。だからこそ悠仁さまの教育は一層大切なのです」(元宮内庁職員・小内誠一)

悠仁さまにどのような教育がなされていくのか、これから煮詰められていくのだろう。

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